ワンちゃんが頸部痛の症状で来院されました。MRI検査では後頭骨の一部が頭側に変位し(後頭骨低形成)小脳の一部が頭蓋外に脱出しているのが確認されました(小脳ヘルニア)。また頚髄から胸髄の広範囲にかけて脊髄中央部にT2高信号域も認められました(脊髄空洞症)。これら一連の後頭骨形成不全症候群が頚部痛の原因となっている可能性が考えられ、内科治療となりました。
左後肢の指に腫瘍のできたワンちゃんが来院されました。細胞診検査の結果、悪性の「肥満細胞腫」と診断され、手術となりました。肥満細胞腫などの皮膚悪性腫瘍の手術では腫瘍を残さず取り切るために、周囲と深さを大きく取ります。歩行できるよう患肢を温存するために断指することでサージカルマージンとしました。病理組織検査の結果は「肥満細胞腫(グレードⅡ/低グレード):検索範囲に腫瘍の脈管浸潤像は認めず、サージカルマージンは十分確保されます(15mm)」
主に肛門周囲に硬結したシコリとして発生する良性腫瘍です。尾の根元などにふくらんだ腫瘤として認められることもあります。オスに多くみられ、メスの10倍ほど発生頻度が高いです。そのため雄性ホルモンが関与しているとされ、去勢した犬では本症の発生はほとんどみられません。今回の子は一部出血もあったことから手術となりました。再発を抑えるため同時に去勢手術も行いました。
市内の先生からけいれん発作が出るとのことでMRI検査の依頼がありました。検査では脳に構造上の異常を認めず、脳脊髄液検査も問題なく、特発性てんかんとの診断でご紹介もとの病院様での治療となりました。
吐き気が続いて、元気・食欲がないワンちゃんが来院されました。超音波検査で異物による小腸閉塞が疑われましたので緊急手術となりました。腸を切開し異物を摘出し、無事手術は終了、元気に退院していきました。よかったね。
安東本院・瀬名病院・静岡南病院・駒越病院の4病院とも、12/31~1/4が終日休診となります(30日の診察は午前中のみになります)。休診中対応の詳細につきましては来院時にスタッフにお尋ねください。ご不便をお掛け致しますが、ご了承の程お願い申し上げます。
1歳未満の小型犬に多い病気です。成長期に大腿骨頭の血流が悪くなり壊死してしまう病気で、骨が変形して関節炎を起こします。これによって痛みが生じ、悪い方の後肢を上げがちになり、症状が進むと腿の筋肉が萎縮して3本足で歩行するようになります。痛みや跛行のあるものでは手術による早期治療が回復を早めるために重要です。今回の子はレントゲンで右大腿骨頭の背側領域に扁平化が認められ、右大腿部の筋肉が廃用性筋萎縮を起こしていました。シグナルメントおよびX線所見より、大腿骨頭壊死症が強く疑われ手術となりました。術後無事元気に走れるようになりました。良かったね。
手術の様子です。骨髄移植も併用しました。順調に回復し元気に歩けるようになり、ご紹介元の先生にお返ししました。良かったね。
市外の先生からダックスちゃん両後肢麻痺グレード5でご紹介がありました。MRI検査で第12-13胸椎間椎間板ヘルニア、左側優位な圧迫と診断し即日手術となりました。→<その2>へ続く
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当院は日本動物高度医療センターと連携をとっており 放射線治療など、より高度な治療を必要とする場合 連携して治療が受けられるようになっています。