神経症状の精密検査依頼で来院されました。MRI画像では右側大脳の梨状葉に、T2WIとFLAIRで高信号、T1WIで等信号、造影T1WIでわずかな増強を示す辺縁不整かつ境界不明瞭の病変を認めました。画像所見と脳脊髄液検査の結果から脳炎(感染性または非感染性)を疑い、お薬での治療となりました。
オス猫さんで多い尿道閉塞に対する手術です。尿道閉塞は緊急的にはカテーテルで解除しますが、繰り返す場合に恒久的な解除方法としての手術をおすすめしています。古くから行われている尿道粘膜と皮膚を直接縫合するWilson法と、包皮粘膜を利用して尿道と粘膜を縫合する方法があります。前者の術式の場合、術後の合併症である造瘻部狭窄を起こすことがまれにあるため、それを防ぐためにあみ出されたのが後者の術式です。後者の術式はさらに現在3種類の方法に分かれますが、実際にやってみますとそれぞれに長所短所があります。今回はWilson法を実施しました。今回の猫さんも無事終了し退院後も順調に排尿するようになりました。よかったね。