ネコちゃんの左大腿骨遠位成長板骨折の手術依頼でご紹介がありました。受傷から10日間経過していましたが、完全挙上の状態でした。髄内ピンとクロスピンで固定する手術を行いました。術後元気に歩けるようになり退院し、その後ご紹介病院様での治療となりました。
1歳未満の小型犬に多い病気です。成長期に大腿骨頭の血流が悪くなり壊死してしまう病気で、骨が変形して関節炎を起こします。これによって痛みが生じ、悪い方の後肢を上げがちになり、症状が進むと腿の筋肉が萎縮して3本足で歩行するようになります。痛みや跛行のあるものでは手術による早期治療が回復を早めるために重要です。今回の子のレントゲンでは両側の大腿骨頭に扁平化が認められ、大腿骨頭内の一部の骨は透過性が軽度に亢進している状態でした。シグナルメントおよびX線所見より、両側性の大腿骨頭壊死症が強く疑われました。症状の強かった右足から手術を行いました。その1か月後に左足も手術し、無事元気に走れるようになりました。良かったね。