多くのワンちゃん、ネコちゃんは高齢になると歯周病に罹患しています。これらの治療にはきちんとした手順で歯周治療を行うことが大切です。歯石をスケーラーで落とすだけでなく、見えないところの治療であるルートプレーニング、キュレッタージ、ポリッシングといった工程が大切になります。また、抜歯が必要な歯を残すと比較的すぐに再治療が必要になることが多く、結果として負担を増やすこととなります。将来を見据えての治療が大切です。
オス猫さんで多い尿道閉塞に対する手術です。尿道閉塞は緊急的にはカテーテルで解除しますが、繰り返す場合に恒久的な解除方法としての手術をおすすめしています。古くから行われている尿道粘膜と皮膚を直接縫合するWilson法と、包皮粘膜を利用して尿道と粘膜を縫合する方法があります。前者の術式の場合、術後の合併症である造瘻部狭窄を起こすことがまれにあるため、それを防ぐためにあみ出されたのが後者の術式です。後者の術式はさらに現在3種類の方法に分かれますが、実際にやってみますとそれぞれに長所短所があります。近年は写真の術式を採用させていただいています。今回の猫さんも無事終了し退院後も順調に排尿するようになりました。よかったね。