前回のレントゲン後の手術です。左肺後葉を切除し、無事元気に退院しました。病理組織検査結果は「肺腺癌」でした。以下病理診断医のコメント:肺腫瘤部では異型性を有す上皮性の腫瘍細胞が浸潤性を示しながら増殖しており、肺腺癌と診断します。切除縁上に明らかな腫瘍の増殖は認められませんが、経過に注意は必要と考えられます。

5~6歳以上の去勢手術をしていないオス犬に多い病気ですが、メス犬や去勢した犬に起こることもあります。お尻の筋肉が萎縮した結果、筋肉の隙間から直腸や膀胱が皮膚の下にとびでてしまいます。これにより便が出にくくなったり膀胱炎になったりします。手術をすることで機能回復および今後の致死的な状況を回避することができます。当院では去勢手術→結腸固定→前立腺固定→骨盤隔膜構成筋の縫縮→内閉鎖筋フラップ→浅臀筋フラップの順で、通常腹側・臀部左右両側同時に行います。また老化以外に、筋肉が萎縮する原因があったり、腹圧がかかる原因があったりする場合も多いので、再発防止のためそれらの診断・治療も重要です。今回のワンちゃんも無事手術も終わり元気に退院しました。よかったね。

