一般的に歯周病などで下顎の犬歯を抜歯する場合、舌が変位・下垂して出っぱなしになることが多いです。これは獣医学的にも、仕方のないこととされていますが、少しの工夫でこれは避けることができます。抜歯した付近の口腔粘膜を切開・整形・縫合することで、元通りの外観を保つことができます。今回の子も重度の歯周病で全ての歯を抜歯しましたが、舌は出ないですみました。よかったね。
3歳のウサギさんが、特に気になる症状はないのですが、避妊手術希望で来院されました。飼い主様のご希望で切除組織を病理組織検査に出しました。検査の結果は「嚢胞状子宮内膜過形成」でした。「①子宮:子宮内膜は肥厚し、固有層では子宮腺が増生しています。一部の子宮腺は嚢胞状に拡張しています。間質では間質細胞や小血管が増生し、観察部位によっては粘液産生や軽度のリンパ球浸潤を認めます。筋層および漿膜に著変は認められません。②卵巣:検索範囲に病理学的異常所見は認められません。」との病理の先生からのコメントでした。翌日元気に退院されました。「女の子のウサギさんが10歳まで長生きしたらほぼ100%近く子宮の病気になる」という説があります。飼育下のウサギさんが長生きするためには早期の避妊手術が必要であると考えられます。