8歳のワンちゃんが、元気食欲不振で来院されました。超音波検査の結果、肝臓の内側左葉というところに大きな腫瘍を認め手術となりました。無事摘出し元気に退院しました。病理組織検査の結果は「肝細胞癌」でした。以下、病理診断医のコメント:肝臓腫瘤では、肝細胞由来の腫瘍細胞の増殖巣が認められます。腫瘍細胞に核異型などの悪性所見が認められるため、肝細胞癌と診断します。マージンは確保されていますが、念のため経過をご観察ください。→現在1年半経過し、定期的な検診でチェックしていますが、再発もなく良好です。


5~6歳以上の去勢手術をしていないオス犬に多い病気ですが、メス犬や去勢した犬に起こることもあります。お尻の筋肉が萎縮した結果、筋肉の隙間から直腸や膀胱が皮膚の下にとびでてしまいます。これにより便が出にくくなったり膀胱炎になったりします。手術をすることで機能回復および今後の致死的な状況を回避することができます。当院では去勢手術→結腸固定→前立腺固定→骨盤隔膜構成筋の縫縮→内閉鎖筋フラップ→浅臀筋フラップの順で通常腹側・臀部左右両側同時に行います。また老化以外に、筋肉が萎縮する原因があったり、腹圧がかかる原因があったりする場合も多いので、再発防止のためそれらの治療も重要です。今回のワンちゃんも無事手術も終わり元気に退院しました。よかったね。
