右前腕の橈尺骨骨折のポメラニアンちゃんのご紹介がありました。橈尺骨骨折は動物病院では一番よくある骨折だと思います。骨の太さや厚み、犬種や体重、性格(活動性)に合わせてインプラントの種類を選択します。今回はロッキングプレートであるTAITAN1.2mmで対応しました。治りも順調で元気に帰りました。よかったね。
5~6歳以上の去勢手術をしていないオス犬に多い病気ですが、メス犬や去勢した犬に起こることもあります。お尻の筋肉が萎縮した結果、筋肉の隙間から直腸や膀胱が皮膚の下にとびでてしまいます。これにより便が出にくくなったり膀胱炎になったりします。手術をすることで機能回復および今後の致死的な状況を回避することができます。当院では去勢手術→結腸固定→前立腺固定→骨盤隔膜構成筋の縫縮→内閉鎖筋フラップ→浅臀筋フラップの順で通常腹側・臀部左右両側同時に行います。また老化以外に、筋肉が萎縮する原因があったり、腹圧がかかる原因があったりする場合も多いので、再発防止のためそれらの診断・治療も重要です。今回のワンちゃんも無事手術も終わり元気に退院しました。よかったね。
主に肛門周囲に硬結したシコリとして発生する良性腫瘍です。尾の根元などにふくらんだ腫瘤として認められることもあります。オスに多くみられメスの10倍ほど発生頻度が高いです。そのため雄性ホルモンが関与しているとされ、去勢した犬では本症の発生はほとんどみられません。今回の子は未去勢だったため腫瘍の切除と同時に去勢手術も行いました。以下、病理診断医のコメント: 肛門周囲腺に由来する良性腫瘍と判断します。通常の肛門周囲腺腫と比較して補助細胞の増殖がやや多くみられ、観察部位によっては肛門周囲腺上皮腫に相当する部位が認められます。肛門周囲腺上皮腫はときに局所再発が問題となる低悪性度腫瘍といわれており、本症例では検索範囲に明らかな浸潤性は認められず腫瘍巣自体は取り切れていますが、念のため経過をご観察ください。