尿道に結石が詰まって尿が出なくなり、夜間救急にかかって膀胱穿刺にて尿を抜いてもらったシュナウザーちゃんが来院されました。尿道開口部付近にて結石が詰まってカテーテルが入らない状況でした。開腹手術にて膀胱内の結石を摘出したのち、膀胱側から押し出す形で結石を摘出しました。雌犬の尿道閉塞はたまにありますが摘出に苦労するケースが多いです。犬のサイズにもよりますが子宮吊り出し鈎が良い働きをします。今回の子も無事元気に退院しました。よかったね。
切れてしまった前十字靭帯の代わりにモノフィラメントのナイロン糸を人工靭帯として使用しています。なるべく太い糸の方が丈夫なため好ましいのですが、以前は3号という太さが国内では一番太いサイズの糸でした。しかし数年前からベアーメディックさんで6号という太さの糸をが販売される運びとなりました。これにより以前は小型犬で2本、大型犬では4本使用していたものが半分の本数で手術を終えることができるようになり、手技の簡便化および手術時間の短縮にもつながります。結び目は分離した大腿筋膜と関節包の間に持ってくることで動物が術後気にすることもありません。
2024.7.6現在で61頭の前十字靭帯断裂のワンちゃんにこの代用靭帯を使用しましたがすべて経過良好です。最近知り合いの先生から、最大で体重何キロの子まで2本でいけるかとのご相談がありました。現在のところ最大で体重37kgのレトリバーも2本で経過良好です。