下血を主訴に来院されました。症状から、ダックスに好発する大腸炎症性ポリープが疑われましたので、下部消化管の内視鏡検査を行いました。下降結腸遠位に小型のポリープが全周性に多数認められ、組織を採取しました。病理組織検査の結果は「炎症性ポリープ」でした。その後、内科治療で良好にコントロールされています。
ビーグルちゃんが急性のショック症状で来院されました。超音波検査をしたところ、脾臓に腫瘤が存在し、腹腔内に大量出血もしている危険な状態でした。すぐに緊急手術となりました。輸血も並行して行い、危険な状態を脱し無事退院しました。病理組織検査の結果は「脂肪肉腫」でした。以下、病理診断医のコメント:脂肪細胞に由来する腫瘍が多発し、検索した2ヶ所では比較的分化に乏しい腫瘍細胞が主体に増殖していることから脂肪肉腫と判断します。他の腫瘍は比較的分化度の高い腫瘍細胞の増殖であることから良性と判断し、重度の髄外造血を伴うため骨髄脂肪腫と診断します。脂肪肉腫の成分については、念のため転移などに注意する必要があると考
えられます。(写真は脂肪肉腫)