生後6か月の猫ちゃんが慢性下痢の精査希望で来院されました。超音波検査で大腸壁の肥厚及び腸間膜リンパ節の腫大を認め、元々予定していた避妊手術と同時に組織生検を行いました。検査の結果は「化膿性肉芽腫性大腸炎」であり、追加検査で抗体に対する免疫染色を実施したところ、病巣部のマクロファージと思われる単核細胞の細胞質内にウイルス抗原が検出されました。以上の結果より、猫コロナウイルス感染を伴う化膿性肉芽腫性大腸炎、総合診断として猫伝染性腹膜炎( FIP )と診断、内科治療となりました。
多くのワンちゃん、ネコちゃんは高齢になると歯周病に罹患しています。これらの治療にはきちんとした手順で歯周治療を行うことが大切です。歯石をスケーラーで落とすだけでなく、見えないところの治療であるルートプレーニング、キュレッタージ、ポリッシングといった工程が大切になります。また、抜歯が必要な歯を抜かずに残すと比較的すぐに再治療が必要になることが多く、結果としてその子の負担を増やすこととなります。将来を見据えての治療が大切です。今回の子は口腔からの出血を主訴に来院されました。腹部には出血斑が認められ、持続的な出血による血液凝固異常が疑われました。輸血と同時に全ての歯が抜歯となりました。その後、元気に退院しました。良かったね。